医療業務支援資料_20230706


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C

CagA 蛋白

H.pyloriが胃粘膜に定着した際の障害機序のかかわる蛋白である。H.pyloriは、ウレアーゼという酵素を分泌することで胃酸(HCL)を中和し、胃内でも定着することが可能となる。H.pyloriが胃粘膜に定着すると、病原因子であるVacA蛋白(細胞空胞化毒素)やCagA蛋白を産生し、直接的な胃粘膜傷害や持続的な炎症反応を引き起こすと考えられている。CagA蛋白が炎症性サイトカインの産生を促進し、さらに炎症が増強される。


Cattell法

Cattell法は、PD(膵頭十二指腸切除術)後の消化管再建法の1つである。胃→膵→胆管の順に小腸と吻合する。


CET

CET(セツキシマブ)は抗がん剤と併用する分子標的治療薬の1つである。上皮細胞成長因子受容体(EGFR)に対するモノクローナル抗体で、EGFRに結合することでがん細胞の増殖を阻害する。特徴的な副作用としては、皮膚障害や低マグネシウム血症、infection reactionがある。


Child 法

Child 法は、PD(膵頭十二指腸切除術)後の消化管再建法の1つである。膵→胆管→胃の順に小腸と吻合する。現在、最も普及している術式である。


CI

慢性便秘症に対する治療薬の1つ。CIは上皮機能変容薬であり、主な薬剤としては、ルビプロストンがある。作用機序は、小腸に存在するクロライドチャネルを活性化し、腸管内への腸液分泌を増加させることで、便を軟化し排便を促す。


Clostridioides difficile (CD)

Clostridioides difficile (CD)は、グラム陽性の嫌気性桿菌で、生育に不利な環境下では芽胞を形成する。医療関連感染として最も多く見られる嫌気性菌で、下痢症や偽膜性腸炎などを引き起こす。エンテロトキシン、細胞毒など蛋白毒素を産生する。近年、Clostridiumから属名が変更になった。


Courvoisier 徴候

体表から触診で認める無痛性の胆嚢腫大のことをいう。三管合流部(胆嚢管の合流部)よりVater乳頭側の胆管が癌で閉塞し、胆汁が胆嚢内にうっ滞することで起こる。この所見だけでは胆嚢癌を診断することはできないため、画像検査による精査が必要である。


Cowden 病

遺伝性の消化管ポリポーシスの1つであり、常染色体優性遺伝(PTEN遺伝子変異)である。すべての消化管にポリープが生じるが、好発部位は、食道、胃、小腸、大腸である。合併症には、皮疹、口腔粘膜乳頭腫、乳癌、甲状腺癌、卵巣腫瘍などがある。


CRBSI

CRBSI(カテーテル関連血流感染症)とは、カテーテルを血管内に留置することで生じる血流感染症のことである。病原菌がカテーテルに付着・増殖することなどで生じる。末梢静脈栄養でも起こりうるが、中心静脈栄養で特に頻度が高く、かつ重篤な合併症となりやすい。主な侵入経路は、輸液 ライン結合部、カテーテル刺入部がある。感染徴候として、発熱、白血球増多、CRP上昇、カテーテル挿入部の発赤や腫脹、疼痛などの所見もみられる。カテーテル抜去のみで解熱する場合もあるが、重症感染により死に至る危険性もある。診断には、血液培養ならびにカテーテル培養が必要である。抗菌薬による治療はできる限り早期に開始すべきであるため、診断のための採血などは迅速に行う必要がある。予防には、無菌的操作による穿刺・留置や、輸液セットの定期的な交換、消毒用エタノールによるライン結合部の消毒、カテーテル挿入部のドレッシング材の定期的な交換などが有効である。


Cronkhite-Canada 症候群

非遺伝性の消化管ポリポーシスの1つで、胃や大腸に多数のポリープが生じる。皮膚症状(色素沈着、脱毛、爪委縮)を伴い、消化吸収不良や蛋白漏出性胃腸症を高率に伴う。中高年の男性に多い。原因は不明であるが、精神的ストレスやビタミン欠乏、鎮痛薬などの薬剤の他、自己免疫性疾患の関与も示唆されている。治療は、副腎皮質ステロイドの内服治療が主となる。